社会保険労務士に合格した勉強法 「理屈をつける」暗記勉強法とは?
はじめに 記憶したい情報に理屈をつける暗記法で社会保険労務士に合格
オリジナルな、「記憶したい情報に理屈をつける」暗記勉強法で社会保険労務士試験に合格したT・Kさんに勉強法をご提供いただきました。
丸覚えすることがどうも苦手だという人、大人になって記憶力が落ちたかなと感じる人には、とても有効な勉強法=記憶法ではないでしょうか?
以下は、T・Kさんが社会保険労務士試験に合格した「理屈をつける」記憶法=暗記法を、そのままご紹介します。
丸暗記や語呂合わせでは勝てなかった社会保険労務士試験
この勉強法のやり方は『記憶したい情報に理屈をつける』だけ。
『正しい理屈』でなくてもかまいません。理屈をつけることで、自分なりに納得でき記憶に定着させやすくなります。
この理屈をつけるひと手間で、思い出すための手がかりが増えます。丸覚えが苦手な人に特におすすめです。
記憶対象の情報を思い出せなくてもつけた理屈を思い出せば、自然と元の情報も想起されます。
社労士試験は労働基準法や健康保険法など計10科目からなる試験です。
学習範囲が広大で、そのうえ多くの科目に似たような数字や規定が出てくるので、丸暗記や語呂合わせでは暗記が難しいと感じ、この勉強法を試しました。
択一式に関しては、それまで合格基準点にギリギリ届かないくらいでしたが、この暗記法を試してからは、模試で合格基準点を割ることが無くなりました。
私の場合、社労士試験においては、約3か月で伸びを感じました。勉強時間は1日あたり2時間ほどでした。これを7か月ほど続けました。
社会保険労務士試験のように学習範囲が広いとき有効
暗記には様々な方法があります。
単に丸暗記したり、図に描いたり、語呂合わせにしたり…
その中で今回は社会保険労務士試験で使用した「理屈をつける」という方法をご紹介いたします。
やり方は記憶したい情報に「理屈をつける」だけ。
メリットは主に2つ
・印象に残り記憶に定着しやすくなる。
・理屈が思い出すためのフックとなって、理屈を思い出せば元の情報も想起される。
特に社労士試験のような学習範囲が広く、似たような数字や単語がたくさん出てくる試験勉強に効果的だと思います。
例えば労働基準法には『賃金は、通貨で支払わなければならない』という規定がありますが、いくつか例外があります。
その一つが『労働協約に別段の定めがある場合は通貨で支払わなくてよい』というもの。
ただし労基法には正式名称ではないですが『労使協定』というものもあります。
労働協約=使用者と労働組合との間で締結される協定
労使協定=使用者と過半数労働組合若しくは労働者の過半数代表者との間で締結される協定
なのですが、私はいつも上記の例外が『労働協約』か『労使協定』かごっちゃになっていました。
そこで使ったのが「理屈をつける」方法です。
・賃金を自社株のような通貨以外で支払うのはだいたい大企業。
大企業は労働組合に加入している労働者が多い。
だから通貨払いの例外は『労働協約』。
といった具合です
当然ながらこの理屈、全くのデタラメです。普通に中小企業でも賃金を通貨以外で支払うことはあります。
正しい理屈は労働協約と労使協定の効力の違いに関係あるのですが、私は受験生当それが理解できなかったのでデタラメな理屈で覚えていました。
別の例ですが、厚生年金保険法では一般事業主と船舶所有者に一定の事項を大臣(日本年金機構)に届け出ることを義務付けています。
その届出の期限が一般事業主と船舶所有者では多くの場合異なります。
具体的には、新規に適用事業に該当した場合、一般事業主は5日以内に、船舶所有者は10日以内に届出が必要です。
これも私はどっちがどっちかごっちゃになっていました。
そこで「理屈をつける」方法を使いました。
・船舶は海上にいてすぐに届出できないから提出期限が長い
当然この理屈もデタラメです。
そもそも船舶の事務手続きは陸上で行いますから、完全に誤りです。
もちろん正しい理屈が分かっているなら、それで理解するのが一番です。
しかし実際は予備校の講義やテキストにも正しい理屈が載っていないことがあります。
たとえデタラメな理屈でも、情報を記憶に定着させ本番で思い出すことが出来れば合格は近づきます。
正しい理屈でない時点で万人にお勧めできる方法ではありませんが、少しでも暗記で悩んでいる方のお役に立てば嬉しいです。
この勉強法のメリット・デメリット
メリット
似たような数字・規定の混同が減る。共通点の多い科目の横断的理解が楽になる。道具を使わないため容易に行える。
デメリット
無理やり理屈を考えるのが大変。単純に覚える量が増える。
詰め込み型の暗記が苦手だが、とにかく試験に合格したい!という方に向いています。もちろん万人に効果のある勉強法ではないため、合わない方もいると思います。
それでも少しでも暗記で悩んでいる方のお役に立てば、という気持ちで書かせていただきました。
社会保険労務士 T・K 男