行政書士になる勉強法 「実務直結型勉強法」を徹底解説する
今回は、行政書士試験に合格したR.Eさんから勉強法をご提供いただきました。うわべだけでは理解しにくかった法律を実務面から補強しながら定着させるには、とてもよい勉強法だと思います。
以下は、行政書士試験に合格したR.Eさんの勉強法を、そのままご紹介します。
民法・税法・家族法などの勉強にはぴったりの勉強法
民法などを勉強する際に、学んだ内容を自分の周辺に合わせてみて、どういう結果になるかを考えてみます。
例えば、自分の祖父母が無くなった際に、
1.推定相続人はだれなのか。
2.推定相続人の遺産の配分はどうなるのか。
3.推定相続人から廃除されるパターンはどういうものがあるのか
4.推定相続人の1人が相続を放棄した場合、その子や孫に相続権があるのか
などを考えてみて、教科書から答えを探すという方法です。
行政書士の試験は実務とかけ離れていることで有名なので、がんばって頭に入れた内容を何とか残し実務に行かせないか試行錯誤して頭に浮かんだのがこの勉強法です。
行政書士の試験は、かなり実務とかけ離れているため、勉強したことはかなり忘れてしまいましたが、この勉強をした分野は頭に残っています。
この勉強は、特に民法の家族法といわれる分野で有効でした。それまでは半分程度の正解しか得られなかったのが、実際の試験でも満点を取ることができました。
この勉強法は、1日あたり、30分~1時間程度の勉強を約2週間続けることで、成果が出るようになります。
家族に状況を当てはめるだけで様々な想定問題が出来上がる
過去問の状況を、自分の状況に落とし込んで考えてみます。
例えば遺産分割協議の問題が出た際には、以下の全てを実際の自分の家族に当てはめて考えてみます。自分の家族で当てはめにくい問題があれば、知人の家族、親戚の家族も動員して下さい。
1.推定相続人は誰か
2.推定相続人の遺産配分の割合はそれぞれどれくらいか
3.遺言があった場合、2.はどのように変化するのか
4.遺言の内容に不満がある場合、どのような人が遺留分減殺請求が可能なのか
5.推定相続人以外の人間が遺産を得るパターンはどういうものがあり得るか
6.廃除、欠格の事由はどういうものがあり得るのか
7.推定相続人が相続を放棄した場合と廃除、欠格事由に当たった場合とで、推定相続人の子や孫の扱いはどう変わるのか
8.推定相続人が払う相続税はそれぞれどうなるのか
9.相続したものを他人が違法に占有していた場合は法的にどういう対処が可能なのか
10.相続税を払えない場合の対処法はどうなのか
11.もし分割終了後に新たな相続人が出てきた場合はどうなるのか
12.生活保護受給権などは相続の対象となるのか、傷病手当金を被相続人が受け取っていない場合、それは相続の対象となるのか
13.相続税の計算対象となるのは厳禁、土地、金銭債権などだが骨董品が対象になるのはどのような場合か
などを一回一回シミュレートします。
その結果遺産分割と遺留分減殺請求権の関係、例えば相続人が配偶者と被相続人の子や親の場合は遺留分減殺請求権が発生するが、相続人が配偶者と被相続人の兄弟の場合、兄弟には遺留分減殺請求権が発生しないなどの発見ができましたし、生活保護受給権や使用貸借権は被相続人が一身専属的に持つものであり、相続財産として該当しない。逆に傷病手当金と賃貸借契約の場合は相続財産に該当する。相続と遺贈の違いはどういうものなのか、遺贈にかかる税金は相続税なのか贈与税なのか、生前贈与の場合はどうか。などを学ぶことができました。
この方法を、相続税以外にも、いろいろな過去問に当てはめていきます。過去問を、家族を動員した過去問に翻訳するような感覚です。
この勉強法のメリット・デメリット
自分が想像しやすい問題でないとこの勉強法はやりずらいと思います。
実際行政法の勉強ではこの方法は想像がつかない為この方法では成績を上げられず、結局丸暗記をした記憶があります。
行政書士として遺言・相続分野を専門にやりたい方。想像力が豊かで問題文の状況を自分に当てはめて考えることができる方。などに向いていると思います。
ただ、この方法は少し時間を取られるので、試験直前でやることはお勧めできません。
行政書士 R.E 男性