1級土木施工管理技士試験の2次試験 記述対策(論文対策)

経験記述の問題では自己判断は困難

2次試験には土木工事の経験記述の問題が論文形式で出題されます。

自分が監督として行った工事を「品質管理・出来形管理・施工管理・工程管理・安全管理」等を中心に記述するのです。

しかし施工方法がベストなやり方であったのかどうかはケースバイケースで、自分では判断しきれないものもありました。

そこで発注者、下請け業者を含めた協議組織をつくり、先輩技術者の意見を聞くことができる場を設けました。

当初は、試験のためというわけではありませんでしたが、結果として工事のクリティカルパスの整理に非常に役立ち、論な分対策に大きな影響がありました。

1級土木施工管理技士試験論文対策 「何がわからないか」を把握するために!

この方法は、自分と他の技術者の違いや、「何がわからないか」を把握するために実施しました。

関連会社の技術者が、普段通りの様子で工事を進めていても、その中には重要なポイントがいくつもあるのだろうとは感じていました。

しかし、職場環境的に「見て覚える」「体で覚える」「1度で覚える」という風潮が強く、日々の業務に忙殺される中ではなかなかポイントを押さえ、身に着けていくという作業ができませんでした。

そこでこの組織の立ち上げを実行してみたのです。

当初は経験記述の作成に1時間以上かかっていましたが、これを実施するようになって20分で記載できるようになりました。

また内容的にも、多くのことを書きすぎて空中分解気味だった論文が、論点を絞って記述できるようになりました。

これらを実施することで、1回の受験で独学で合格することができました。

一日あたりの時間としては2時間前後。2か月間足らずで効果が実感できました。

1級土木施工管理技士試験には、月1回の工程会議を徹底活用する

具体的な手順です。

まずはじめに発注者側、受注者側(下請け業者)に工程表の提出を依頼し、各業者間での作業の取り合い、手待ちが発生しないかを協議しました。

同一の工事であっても、それぞれ理解が不足している部分はあり、少なからず「溝」があります。

それらを解消するうえで、協議組織を作り、月1回の工程会議を開きました。

これにより、それぞれの技術的な問題や必要となる工事期間、あるいは作業に対する誤解なども浮き彫りになりました。

当時、まだまだ勉強中だった私は、「どの工種も全部重要」といういうような理解をしていましたが、クリティカルパスという考え方もここで身に着けることができました。

それら実践の中から身に着けたものを、「経験」として終わりにするのではなく、文書化しておくことを実践しました。

会議では分かったつもりになっていても、実際にはやはりつじつまが合ってこないことや、新たな問題が見つかることもありました。

そのときには先輩技術者に相談したり、ポイントを押さえた形で質問をすることで解決を図り、結果、経験記述の対策になりました。

これらの対策を品質管理・出来形管理・施工管理・工程管理・安全管理についてすべておこない、「事象→対策→まとめ」のフローで論文化する作業を進めました。

経験記述の練習では、当初1日1文書がいっぱいいっぱいでしたが、なれてくることで論文が早く書けるようになり、1日2テーマを目標に約2か月間、実施しました。

苦手なテーマでも3回練習すると、ずいぶんとスムーズに書けるようになった印象があります。

これによりもっとも1級土木施工管理技士試験のなかでもっとも難しいといわれる経験記述の分野をクリアし、1度の受験で合格することができました。

1級土木施工管理技士試験 この勉強法のメリット・デメリット

本を読むことで得る知識ではなく、実際の生きた経験から学ぶことができたので、身についたと思います。またポイントや目の付け所を学ぶことができたのは大きかったです。

多忙中のため、発注者、受注者のスケジュールが合わず開催が難しいというデメリットはありました。

土木系技術者は体力面でキツイうえ、工事書類の作成や実施計画、翌日の段取りなどで忙しい人がほとんどだと思います。

あらたまって勉強時間を確保できない中で、さらには人に聞ける環境下にもない人に有効だと思います。

1級土木施工管理技士 M.K 男