勉強でやる気が出ないとき眠るべき理由。あるポイントをまもれば必ず効率が上がる
勉強しようとしてもやる気が出ない。そんな時には思い切って眠るべきです。勉強でやる気が起きないのに我慢して続けていても効率が落ちるばかりです。眠るということが重要なほんとうの理由をご紹介。そして効果的な勉強法をお伝えします。
どんなに勉強でやる気の出ないときでもちゃんと仕事をしてくれるのが海馬
脳の一部に海馬という器官があります。かたちはタツノオトシゴそっくり。ある手術で海馬が傷ついた患者がいて、手術後に記憶がわずかしかもたなくなったため、記憶に関係する器官として知られるようになりました。ものすごくざっくり述べると、全ての情報はいったんターミナルである海馬に集約され、解析されて、前頭葉等に送られています。
この海馬には、短期記憶を整理して長期記憶に書き替えるという大切な役割があります。しかも海馬は勉強にやる気の出ない最低のモチベーションの時でもちゃんと仕事をしてくれます。それはとてもありがたいですよね。では海馬はいつ仕事をしているのかわかりますか。
記憶について調べたことがある人はエビングハウスの忘却曲線という有名な言葉を知っていると思います。簡単にいうと、人の記憶は1日が過ぎるまでに平均67%も失われるということです。記憶というのは、このように、とてももろいものなんです。
しかし逆に、1日を過ぎてまだ記憶している33%のことは、1か月たっても21%「も」記憶していました。30日で「たった」12%の忘却です。一日に換算するとたった0.4%の忘却です。これは毎日勉強する者にとって、とんでもなく心強い数字だと思いませんか?
つまり、この1日がポイントなんです。この1日で短期記憶が長期記憶に変わったわけです。
勉強にやる気が出ない時はいさぎよく眠ろう
多くの研究者はここで「睡眠」をキーワードにあげています。寝ている間に脳に何が起きているのか。定説では、海馬が、起きている間にたくさんたまった情報、つまり「短期記憶」のうち、大切だと判断したものだけを大脳皮質に「長期記憶」として、整理して書き込んでいるとされています。
皆さんも時々夢を見ることがあると思います。中には、起きている時よりも展開の早い、スピード感あふれる夢もあります。夢の中で人は時空を簡単に超えてしまいます。なぜ夢をみるのかということはまだ解明されていないのですが、有力なのは、海馬が短期記憶を長期記憶に高速で書き替えているそのビジョンそのものが夢だという説です。
つまり海馬は、寝ている間もしっかり仕事をしてくれているわけです。いやいや勉強するよりも、25%をしっかり「長期記憶」にするために、しっかり眠るのが賢明だといえます。
また仮眠も有効です。疲れたとき、もし深く眠れる環境があるなら、海馬に記憶の書き換え機会を何回も与えてあげるために、最低睡眠サイクルの90分または180分の睡眠をとるのもいいでしょう。(図書館や自習室では迷惑になるのでやめましょう)
勉強でやる気の出ないときでも、眠る前に最低限やっておくべきこと
大切なことは、眠る前にすでに忘れてしまったことは「短期記憶」から「長期記憶」への書き換えすらできないということです。書き換えができるのは、寝る前におぼえていることだけなんです。一日かかって勉強したことが25%しか残っていない状態で寝るよりも、もういちど、できるだけ100%に近い状態に引き上げてから眠ることが大切です。
まとめ
つまり、寝る直前こそが、復習のベストタイミングなんですね。ここで復習できるかどうかが、勉強の効率化のキモです。どんなに勉強でやる気が出ないときでも、そのまま寝ることはもったいない。復習しないと意味がありません。どうしてもやる気が出ないときには、新しいことには手を出さずに、さっさと復習だけしてしっかり眠りましょう。