関西の中高一貫校と私立高校、灘中、甲陽学院、東大寺学園以外の選択肢

5月 16, 2018

はじめに 中高一貫校と私立高校、最も有利な選択は? 内部進学の有無も

関西にたくさんある中高一貫校と私立高校、いちばん有利な選択は?というテーマで考えていきたいと思います。進学先をどこにするか、させるかは本人にとっても、子どもをもつ親御さんにとっても悩ましいところだと思います。灘、甲陽学院、東大寺学園といった学校は関西の名門校であり惹かれるところがありますが、いずれも難関で私立でもあるため学費も高いです。ひと口に中学・高校といっても多くの種類があり、教育方針、校風、学費、進学先などは様々です。いろいろな情報を調べたうえで学校の選択をしたいところです。

そこで今回は「私立」、「公立」、「中高一貫校」の特徴と基本的な学校の情報、さらには重要な内部進学の有無などについてまとめさせていただきました。それぞれの良さを考慮しつつ学校を選んでいくことで、ほんとうに価値のある学生生活につながると思います。ぜひ参考にしてみてください!

 

関西の名門校「灘、甲陽学院、東大寺学園」

灘中、甲陽学院、東大寺学園は関西の名門校であり、偏差値が70を越える超難関校です。この3校は私立校であり、中高一貫校であるという点が特徴です。進学にあたって一度は検討する高校なのではないでしょうか。それぞれの特徴は以下の通りです。

  • 灘中

兵庫県神戸市にある男子校で、全国でも有数の進学率や偏差値の高さを誇る。自主・自立に重きをおき、制服もない自由な校風。

  • 甲陽学院

兵庫県西宮市にある男子校。規律や礼儀のしっかりした中等教育と、創造性や自主性を伸ばす高等教育により、難関大学への進学率も高い。

  • 東大寺学園

奈良県奈良市にある男子校。難関の国立大学への入学生を多く輩出している。自主性を重んじる校風。

 

関西の中高一貫校のトップです・いずれも東京大学や京都大学といった、名だたる大学へ進学する学生も多いです。しかしこの3校が全てではありません。たとえば偏差値が65以下でも優れた高校はたくさんあります。広い視野をもって様々な高校の情報を集めていくと、より自分に合った高校が見えてくるかと思います。

 

高校の制度による違い

高校といってもまず「私立」と「公立」で分かれます。その違いによってどのような特徴があるのかをまとめました。

 

  • 学費

学費は学校を選ぶうえで大事なポイントになります。私立か公立かは学費にかなりの違いがでます。公立であれば中学校は無償になりますが、私立では年間で44万円が平均してかかります(子どもの学習費調査報告書、文部科学省より引用)。

ただし公立だからと言って勉強を塾や予備校頼りになってしまうと、かえって割高になる可能性もあります。私立の学校は塾に行かなくても良いくらい受験対策がしっかりしているところもあるので、そちらを選ぶという手段もあります。

 

  • 校風

私立は特徴が様々なので、自分の個性にあった場所を選択できるという点がメリットです。校風に近しい気の合う子同士が集まりやすく、仲良くなりやすいという良さがあります。その一方、公立は自由で持ち物や服装などの規定が少なく、のびのびとした学校生活を送れる学校が多いです。また様々な学生が集まりやすいので、コミュニケーションを学ぶには良いとされています。

 

  • 教育

学費のみならず教育のプログラムも私立と公立では異なります。大多数に向けた平均的な教育が多い公立に対して、私立校は独自の教育理念があることがほとんどです。そのため私立校は学校によってかなりユニークで、個性を伸ばしやすいとも言われます。また私立では先生の転任などがないため授業が安定していて、男子校、女子校という区分もあります。

 

  • 学区

公立校の場合は学区で分けられているので、住んでいる学区の範囲内から選ぶしかありません。しかし私立校であればそのような縛りはなく、自由に学校を選べます。

 

中高一貫校の特徴

中高一貫校は中学から高校を通じて一貫した教育プログラムを受けられます。高校受験を意識しなくてよいので、ゆとりのある学生生活を送れる点が特徴です。3年間で切れ目がないために自由で効率的なカリキュラムを組むことができ、課外活動などの自由性も高いです。そのため個性を伸ばしやすいとも言われています。ただし6年という長い期間の間で学力に差がついてしまったり、人との交流が広がりにくいというデメリットもあります。

当然ですが、中高一貫の進学校では高二までに全課程を修了して、高三全てを受験対策に充てるといった柔軟なカリキュラムを実施しています。高校や大学など先々を見越して学校を選んでいくのか、それとも自由な校風で個性を伸ばすかなどはしっかりと考えたい内容です。

 

学校選びの選択肢

「灘中、甲陽学院、東大寺学園以外の中高一貫校【私立】」、「系列大学への内部進学や推薦枠のある私立高校」、「公立の中高一貫校」という3つの観点から、当てはまる学校を紹介させていただきます。

それぞれにメリットがあり、特色も違うので学校選びの参考にしていただければと思います。学校に関する概要も書いていますが、詳しくはホームページなどでご確認ください。

また偏差値は執筆当時のものを使用しています(2017年8月)。

 

1、灘中、甲陽学院、東大寺学園以外の中高一貫校【私立】

関西には灘中、甲陽学院、東大寺学園の3校以外にも中高一貫校の私立はあります。それぞれに特徴があり、付属の大学などへの内部進学・推薦枠もあります。希望の大学があるのであればそちらに入学すると進学が楽になる可能性があります。そんな私立の中高一貫校を紹介します。

 

・関西学院中学部

偏差値 71

創立  1889年

住所  兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155

特色  関西学院への内部進学あり。自分で考え、自分で調べ、研究する姿勢を学ぶ。自学自習の精神や自主独立の心を養うための教育を行う

歴史  アメリカの宣教師W.R.ランバス博士によって設立

HP   http://www.kwansei.ac.jp/jh/index.html

 

・近畿大学附属和歌山中学校

偏差値 65

創立  1983年

住所  和歌山県和歌山市善明寺516

特色  近畿大学への内部進学あり。知性を磨いて創造力を高めること、節度と礼儀をわきまえて協調と信頼の精神を重んじること、進んで責任を果たして自立の精神を培うことの3つの教育方針

歴史  1983年に近畿大学の付属高校として設立

ホームページ http://www.hwaka.kindai.ac.jp/

 

・同志社中学校

偏差値 69

創立  1875年

住所  京都市左京区岩倉大鷺町89

特色  同志社大学への内部進学あり。豊かな人間性があり思考力や自主性のある国際色豊かな人間を育てる

歴史  キリスト教主義の学園として設立され当初は小さかったが、いまは同志社大学や同志社女子大学、4つの高等学校、4つの中学校を含む大きい総合学園となる

ホームページ http://www.js.doshisha.ac.jp/jhs/index.html

 

・立命館守山中学校

偏差値 61

創立  1900年

住所  京都府長岡京市調子一丁目1-1

特色  立命館大学への内部進学あり。21世紀を生きる生徒たちの個性と能力を最大限開花させるための教育創造

歴史  私立京都法政学校として設立された後に合併などを経て立命館慶祥中学校となる

ホームページ http://www.ritsumei.ac.jp/fkc/

 

 

2、系列大学への内部進学や推薦枠のある私立高校

 

中高一貫校では私立の場合中学から入ると学費が高くなります。中学は公立に通い、そこから私立の高校に入るという選択肢もあります。高校よっては系列大学への内部進学枠や推薦枠もあります。そんな内部進学枠のある高校をご紹介します。ひとまず内部進学も視野に入れつつ、さらに上のレベルを目指すという選択もあります。

・京都産業大学附属高校

偏差値 56~62

創立  2007年

住所  京都市下京区中堂寺命婦町1-10

特色  京都産業大学への内部進学あり

教育  豊かな教養と、全人類の平和と幸福のために寄与する精神を持った人間の育成

歴史  1965年に設立された京都産業大学の付属校として開校

ホームページ http://www.jsh.kyoto-su.ac.jp/index.html

 

・龍谷大学附属平安高校

偏差値 41~60

創立  1910年

住所  京都府京都市下京区御器屋町30

特色  龍谷大学への内部進学あり

教育  浄土真宗の教えのもとに、仏教的なものの見方や考え方に基づく社会的価値観を教育する

歴史  「平安中学校」として浄土真宗に基づく教育を行うために設立される

ホームページ http://www.heian.ed.jp/

 

・関西大学北陽高校

偏差値 40~65

創立  2008年

住所  大阪市東淀川区上新庄1丁目3番26号

特色  関西大学への内部進学あり

教育  知徳体の調和のとれた人間の育成

歴史  北陽商業学校として設立されたのちに、関西大学の併設校となり校名が変わる

ホームページ http://www.kansai-u.ac.jp/hokuyo/index.html

 

 

3、公立の中高一貫校

中高一貫教育は受けたいけれど学費は抑えたいという方には、公立の中高一貫校という選択肢もあります。中高一貫教育というと私立のイメージが強いかもしれませんが、制度化されたことで公立校も最近増加しています。公立ですがしっかりとした教育を、高額でない学費で受けられるメリットがあります。

 

・兵庫県立大学付属中学校

偏差値 58

創立  2004年

住所  兵庫県赤穂郡上郡町光都3丁目11番2号

特色  兵庫県立大への内部進学あり

教育  自主的に考え、幅広く学ぶなかで国際社会に貢献できる人材を育成する

歴史  兵庫県立大学附属の中高一貫教育校として設立される

ホームページ http://www.ajhs.ahs.u-hyogo.ac.jp/

 

・神戸大学附属中等教育学校

偏差値 69

創立  2009年

住所  兵庫県神戸市東灘区住吉山手5丁目11-1

特色  生徒自身による自由な学校の文化や校風を作りが進められている。

教育  「グローバルキャリア人」という21世紀に通用する国際的教養人の育成を目指した教育を神戸大学と連携しながら行っている。

歴史  「神戸大学」の附属学校再編計画により設立された中等教育学校。

ホームページ http://www.edu.kobe-u.ac.jp/kuss-top/guidance/qa.html

 

・大阪教育大学附属池田中学校

偏差値 69

創立  1947年

住所  大阪府池田市城山1002番

特色  様々な小学校から帰国子女などを含めてさまざまな文化圏で生活をしてきた学生が集まる

教育  自由な校風のなかで教員と生徒ともに自主的に学ぼうとする態度の育成を目指す。体験して問題を解決する、確かな学力や国際感覚の高い生徒を育成する

歴史  教員を養成する大学である「大阪教育大学」の研究校であり教育実習校。

ホームページ http://www.ikeda-j.oku.ed.jp/

 

・大阪教育大学附属天王寺中学校

偏差値 68

創立  1947年

住所  大阪市天王寺区南河堀町4-88

特色  「質実剛健」の校風の下、基礎学力を固め、個性を伸ばし、協調性を養う

教育  生徒自らが「実験・考察」「創作・発表・表現活動」、「課題の発見・問題解決」など様々な学習形態を体験するように授業が展開する。それによって高い好奇心をもとに自ら探求と創造する力のある生徒を育成する。

歴史  昭和22年に「大阪第一師範学校附属の天王寺中学校」として開校。そのご国立大学法人化に伴い「大阪教育大学附属天王寺中学校」に名前を変更

ホームページ http://www.tennoji-h.oku.ed.jp/j-tennoji/index.html

 

・奈良女子大学附属中等教育学校

偏差値 68

創立     1896年

住所  奈良市東紀寺町1丁目60-1

特色  自由・自主・自立を主とした校風

教育  2年ごとに分けられたカリキュラムをもとに、自ら考える力、表現する力、行動する力を教育する。

歴史  前身の奈良県立奈良高等女学校から改組して現在の学校にいたる。良妻賢母の育成を目指していたが、民主主義的な教育へと展開

ホームページ http://www.nara-wu.ac.jp/fuchuko/index.html

 

・京都府立洛北高等学校附属中学校

偏差値 67

創立  1870年

住所  京都市左京区下鴨梅ノ木町59

特色  洛北高等学校の付属校

教育      6年間の一貫した教育を通じて、見通しを持って主体的に生き抜く、創造性あふれる心豊かな人間の育成を目的とする

歴史  京都府中学校として1870年に設立。1948年に学制改革に伴い現在の名前に改称

ホームページ http://www.kyoto-be.ne.jp/rakuhoku-hs/index.html