漢文の最短攻略法 漢文が簡単である理由 攻略手順の全てとは

11月 10, 2017

はじめに 漢文とは何か なぜ簡単でなければならなかったか

漢文は紀元前200年前後の前漢期に完成された言語で、その後、清の時代まで2000年以上使われてきました。長期にわたり通用してきたのにはふたつの理由があります。まず文法が簡単だったこと。そして使われている漢字がすぐれもので、時代を越えて理解できる文字だったことがその理由です。

そういう誰にでもわかりやすい言語だったからこそ、日本にも韓国にもベトナムにもその他周辺諸国へも「輸出」されました。それだけ学びやすいものだったんですね。これはちょうど、西洋諸国の学術的テキストとしてラテン語が重用されてきたのと同様です。

そういう理由で漢文は、とても簡単で、また最短で学べるんです。多くの民族を束ねるために、もともと世界標準で設計されたものですから。いまの「ビジネス英語」とよく似た立ち位置になっています。(今ビジネスシーンでの英語は大きく変わり続け、アジア圏などの非英語圏では、だいたい1500語くらいの英語で素早く相互理解、ビジネスを進めるためのツールとして通用しています。難しい英語を頑張らないといけないのも入試までです) 。

本題に戻りますね。

何のために漢文を学ばなければならないのか

答えをふたつ用意しました。

はじめに、漢文は最短でいちばん簡単に得点できるようになってるのだから、大学に合格するためには漢文に習熟しようということです。ざっくり試験という言い方をしますが、試験で8割以上得点するのに、英語は、3000-5000語必要になります。それに対して漢文は、150語もあれば十分。配点は少ないですが、費用対効果(努力対効果)は絶大です。納得できない?

じゃあ、そもそも論を。漢文は入試で得点する以外にほとんど使い道がありません。社会に出ても何の役にも立ちません。それでも漢文を学ぶのは、漢文に色あせない英知が詰め込まれているからです。だからそこには学ぶ意味はあります。子曰、学而不思則罔、思而不学則殆。「学んで思わざれば即ちくらし。思うて学ばざれば即ちあやうし」と書き下します。有名な論語の一節ですね。

孔子先生は言いました。「学んでもしっかり自分で考えないと身にはつかない。また、自分で考えるだけで学ぼうとしなければ危険である」と。2000年以上経っても真理です。知識があるだけの人間になるな、逆に根拠なく独断するなと言ってくれています。すなわちバランスを持てと。

学問のほとんどは役に立ちません。漢文もそうです。その代表です。でも学んだということは、少しだけ心に何かを残してくれます。その一握りの何かがいつかあなたを支えることになります。人を知り人を許せるように、心を広げてくれているかもしれません。全ての学びは成長です。

重要なことを忘れていました。試験本番の時間の配分のことです。漢文は10分もあれば解答を終えることができます。それくらい簡単です。つまりあとの時間を、難解(とされる)評論文などに充てられるということです。これも漢文を完成させる大きいメリットです。

漢文の最短勉強法 いつ始めるか 早いほうがいい理由

さて、漢文は易しい理由を説明しました。また漢文は短期間で高得点を取れると言ってきました。多くの人がそのように言います。だからといって、直前まで完成させないのは問題です。ギリギリで大丈夫と思いながら、英語等に時間がかかり、実はいちばんオイシイのに最後まで手が出ず、得点できなかったという人が大半です。復習もメンテナンスもめんどうではなく簡単にできるので、夏休みまでの段階でひととおり終わらせて下さい。目安として50時間あれば大丈夫でしょう。

さて、それを終えたあとは、このように考えることができるんです。「漢文が出題されるからこの大学は受けるのやめよう」ではなく「おっ漢文があるな、この大学はチャンスだ」と。志望校の選択肢に影響してくるので「夏までに」です。

漢文の最短勉強法 まず何から始めるか

まずは一、二点、レ点の使いかただけは最低限思い出して下さい。それと同時にまず句形の理解と暗記です。

否定、疑問・反語、受身、使役、仮定、限定、比較・比況、選択、願望・詠嘆

全部で10通りの句形とその応用を理解、暗記するだけです。『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』 河合出版 みたいなので十分。また漢文ヤマのヤマ パワーアップ版 (大学受験超基礎シリーズ)もよく使われます。まずは手に取って、使いやすそうなもので大丈夫。その中に、重要単語も掲載されているので、同時に覚えてしまいましょう。(ページの最後にチェック用の重要漢字を載せています)

漢文の最短勉強法 再読、再再読の繰り返し

まずは読み込むことです。二回、三回ではありません。できれば暗唱できるくらい読み込む。それによって漢文のリズムを身につける。その中で、句形の使われ方も理解できるようになり、読んで意味が取れるようになります。また、大意を読み違えなくなります。

大半は書き下しや意味を問う問題なので、ここまでで8割得点可能です。何を繰り返し読むかですが、問題集でも過去問でも大丈夫です。過去問はぜひ、自分のねらう大学のレベルをチェックするためにも早めに読んでみましょう。

知己知彼 百战不殆です(孫子・兵法)。彼を知り己を知れば百戦して殆うからずと読みます。つまり自分が置かれた現状と、敵が投げかける問題(過去問)を知らないと、話しにならないということ。

使う問題集は前出のものでよいので、何周も回して下さい。

まとめ(付録) 以下が理解できていれば完了です

 

句法・語彙

例えば、修得することが望ましい語彙には次のようなものがある。

  1. 読み・意味とも多岐にわたる重要語30見・為・之・与・夫・如・若・将・且・宜・而・爾・斯・者・焉・悪・以・惟・自・即・故・謂・已・事・少・卒・直・徒・毎・尤
  2. 重要語135
  • 名詞・和漢異義語鬼・故人・大丈夫・百姓
  • 名詞・人称(一)己・寡人・孤・朕・不肖・予(余)
  • 名詞・人称(二)子・小子・足下・女・二三子・陛下
  • 名詞・呼称字・諱・諡・号
  • 名詞・人物夷狄・燕雀・客・兄弟・鴻鵠・胡虜・孺子・聖人・壮子・弟子・朋・夫子
  • 名詞・君臣役職君・君子・卿・左右・士・上・丞相・小人・臣・大夫・天子・天帝
  • 名詞朝・苛政・逆旅・乾坤・孝・光陰・恒産・恒心・社稷・城・人間・為人・邑
  • 動詞遊・中・過・更・諌・詣・曰・云・居・膾炙・叩頭・対・弑・前・賜・足・誅・封・征・説
  • 形容詞形容動詞殆・衆・難・罔・鮮(寡)・易・工・碧
  • 副詞勝・敢(肯)・新・或・聊・壱・転・各・徐・曾(嘗)(常)・還・莞爾・畢(尽)・屡(数)・頃(姑)(暫)・須臾・頗・既・渾・径・乍(忽)・会・具・倶・遽・果・甚・窃・方・固(素)・差(稍)(良)・漸・纔(才)
  • 助字相・所謂・今・於・如此(如是)(如斯)(若此)(若是)(若斯)・蓋・維・諸・其・抑・所・用・已矣(已矣乎)(已矣夫)(已矣哉)・所以・従・因

 

読み・意味が多い重要語

為・之・見・与・夫・若・将・且・如・宜・而・爾・斯・者・焉・悪・以・惟・自・即・故・謂・已・事・少・卒・直・徒・毎・尤

重要語

名詞・和漢異義語
鬼・故人・大丈夫・百姓

名詞・人称(一)
己・寡人・孤・朕・不肖・予(余)

名詞・人称(二)
子・小子・足下・女・二三子・陛下

名詞・呼称
字・諱・諡・号

名詞・人物
夷狄・燕雀・客・兄弟・鴻鵠・胡虜・孺子・聖人・壮子・弟子・朋・夫子

名詞・君臣役職
君・君子・卿・左右・士・上・丞相・小人・臣・大夫・天子・天帝

名詞
朝・苛政・逆旅・乾坤・孝・光陰・恒産・恒心・社稷・城・人間・為人・邑

動詞
遊・中・過・更・諌・詣・曰・云・居・膾炙・叩頭・対・弑・前・賜・足・誅・封・征・説

形容詞形容動詞
殆・衆・難・罔・鮮(寡)・易・工・碧

副詞
勝・敢(肯)・新・或・聊・壱・転・各・徐・曾(嘗)(常)・還・莞爾・畢(尽)・屡(数)・頃(姑)(暫)・須臾・頗・既・渾・径・乍(忽)・会・具・倶・遽・果・甚・窃・方・固(素)・差(稍)(良)・漸・纔(才)

助字
相・所謂・今・於・如此(如是)(如斯)(若此)(若是)(若斯)・蓋・維・諸・其・抑・所・用・已矣(已矣乎)(已矣夫)(已矣哉)・所以・従・因

-漢文の部屋より-http://www.nara-wu.ac.jp/fuchuko/curriculum/study/Japanese/kanbun.html