学習塾を検討する際に気をつけたいこと ~学習塾のデメリットとは~

5月 16, 2018

はじめに

高校や大学への進学を見据えて、お子様を学習塾へ通わせることを検討なさっている親御さんも多いことでしょう。
塾のパンフレットやホームページを見ると、どこも魅力的なサービス内容が盛り込まれており、華々しい「進学実績」も記載されているようです。

しかし、それらは宣伝なのですから、良いことが書かれてあるのは当然です。
その塾へ通ったら100%志望校へ合格することができるというならともかく、現実ではそのようなことはありません。

そこで親御さんの立場から気になるのは、学習塾へ通うことによるデメリットはないのか、ということではないでしょうか。
せっかくお金と時間を費やして大切なお子様を通わせるのなら、万が一にも失敗はしたくないものです。
そうした親御さんらの参考となるように、考えられるデメリットを整理しました。

集団指導塾と個別指導塾

まず、学習塾といっても2種類の指導形態があることを踏まえておくといいでしょう。
1つは「集団指導塾」であり、もう1つは「個別指導塾」です。

集団指導塾とは、文字通り集団で生徒らへの指導を行うタイプの塾であり、学校と同様の教え方をする場所だと考えていいです。
基本的に講師が教壇に立ち、十数名~数十名の生徒に対して黒板やテキストを用いながら講義を進めていきます。

個別指導塾とは、一人ひとりに合わせた個別の指導を行うタイプの塾であり、通う形での家庭教師のようなものだと考えるとわかりやすいかと思います。
マンツーマンで勉強を進めていくところもあれば、講師一人で三~五名程度の生徒を受け持つ形のところもあります。

このように両者は指導の仕方が異なるため、デメリットも違ってくるのですね。

集団指導塾のデメリットとは

集団指導塾には、次のようなメリットがあります。

  • 同年代の生徒たちとの切磋琢磨ができる
  • 周りが真剣だとモチベーションが保ちやすい
  • ベテランや能力の高い講師の講義をリーズナブルな価格で受けられる
  • 集団の中での自分の学力や位置を知ることができる

しかし、その反面で以下のようなデメリットが考えられます。

  • 同年代の生徒たちとの競争に後れを取り、取り残されることがある
  • 周りがだらけていると引きずられて自分もだらけてしまいかねない
  • 人気講師は多忙であることが多く、じっくりと質問などがしにくい
  • 自分のペースでの勉強ができず、拘束時間も長い

集団で勉強を進めるというのは、メリットとデメリットの双方を併せ持つものです。
学校での勉強の進行はできない生徒に合わせるため遅くなりがちですが、塾では一定のペースでカリキュラムを進めていきます。
その分、進行が遅れることはないものの、ついて行けない生徒も出てくるのです。

また、集団で勉強する塾は、講師だけではなく集団の雰囲気にも影響されます。
真剣な生徒ばかりならモチベーション向上という恩恵を受けられますが、取り敢えず塾へ行かせられた、というような生徒が多ければ、かえって怠けてしまうこともあります。

さらに、ペースについて行けなくても講師に質問できるとは限りません。人気講師には多くの質問が寄せられますし、ひとによっては講演やTV出演といった他業務を抱えていることもあるのです。

こうしたことから、集団指導塾を検討する場合には、集団の雰囲気が真剣かどうか、ティーチングアシスタント制などといった疑問点へのフォローがあるかどうか、というポイントに着目するといいでしょう。

個別指導塾のデメリットとは

個別指導塾には、次のようなメリットがあります。

  • 苦手科目など自分の現状に合わせた勉強ができる
  • 周りの雰囲気に流されずに自分のペースで勉強を進められる
  • 講師への質問や対話もしやすい
  • 時間についても臨機応変に対応可能なことが多い

他方、このようなデメリットがあります。

  • 網羅的、横断的な勉強をしにくい場合がある
  • 他の生徒がいないため勉強のペースが遅くとも気づきにくい
  • 一人ひとりに講師がつくため塾の費用が高額になりがち
  • 志望校を受験する生徒の中での自分の順位などを把握しづらい

個別指導によって勉強をするというのは、一見すると自分の不得意な科目を集中的に行ったり、自分なりのペースで進めたりといったことをしやすく、メリットが大きいようにも思えます。
ただ、最終的にどこかの中学や高校、大学を受験するということを念頭に置くなら、完全にマイペースで勉強を進めては間に合わない可能性があります。

また、競争相手や比較相手がいないため、自分の勉強の進捗が進んでいるのか遅れているのかも意識しにくいという問題があります。
焦らずに勉強ができるというのも良し悪しだということですね。

さらに、集団指導塾は一人の講師が集団へ教えることでコストカットをしているところ、個別指導塾では一人の講師が同じ時間で数名程度までしか教えられないため、費用が掛かることも理解しておく必要があります。

こうしたことから、個別指導塾を検討する場合には、自分のペースで勉強を進めた場合に目標を達成できるのかどうかを講師と話し合う、定期的に模試を受けて集団の中での学力を確かめる、といった注意を払うといいでしょう。

おわりに

自宅で勉強をさせるにしても、学習塾へ通わせるにしても、お子様には何が必要なのかということを見極めておかないとなりません>

合わない勉強方法を無理に続けても成績は伸びませんので、ただ塾へ通わせればいいというのではなく、お子様とも話をした上で、相応しいところを探すといいでしょう。